日本の農地
こちらは横浜市神奈川区にある「キッチンファーム新横浜」
郊外型の貸し農園を全国におよそ70カ所展開するマイファームさんの新しいタイプの貸し農園です。
一区画は15平米。5〜6つの畝(うね)を作ることができます。
月額使用料は7350円。運営費は別で初年度は1万500円(年額)、2年目以降は3750円になるそうです。
電車で1時間かけてこの農園に通っているという女性に出会いました。
それにしても、毎週1時間かけて通うのは大変なこと。この場所を選んだ理由を聞いてみると…?
「いつか田舎暮らしをしたいな、と思って。やるなら高い理念をお持ちのところでやってみたいと思って選んだんです」え、理念??
「実はマイファームの農地は、全てある共通点があるんです。
それは、“理由があって農業が続けられなくなった農地”を利用している、という点なんです」
調べてみると、日本の耕作地はすごい勢いで減少していました。
1995年には504万ヘクタールあったのが2010年には459万ヘクタールに。わずか15年で約10%も減少しています。
マイファームの古橋正智さんは世界の食料問題を解決したいと思い農学部に進学。
卒業してマイファームに就職しました。
「日本の農業って今がすごい踏ん張り時かな、と。要は作る人が少ないから食料自給率が下がる。自分が作ったものを皆さんで食べれば自給率が上がりますよね。
それと耕作放棄地が増えているという問題。
二つの問題の解消に貸し農園というのは抜群にいいんです」
野菜嫌いなのに、農園を借りているというパパに出会いました。
「今回ここを借りたのは自分がこの子くらいの時に家の横に父が作った畑があって、その時の記憶があるからかな。野菜を食べるのはあんまり好きじゃなかったので、夏野菜とはなんぞやってところから始まったんです」
仕事はデザイナーでパソコンとにらめっこの毎日だといいます。
「土をいじっている時は嫌なことも全部忘れるというか…。満足しています。
野菜も食うようになった。子供じゃなくて、俺が食うようになった」と笑うパパ。
農具も肥料も必要なものは完備されています
マイファームの理念は「地産地消」ならぬ「自産自消」。
農業(家庭菜園も含む)を始める人を増やして、耕作放棄地をゼロにするのが目標なんだとか。
と、ここまで取材したところで、どうも集中力が途切れがち。
農園になんとも言えない香ばしい良い匂いが漂ってきたのです。
くんくん…
「あぁ、この匂い(笑)今日は月に一度のイベントの日なんです。良かったら皆さんも食べて行きませんか?」と古橋さん。
イベントですか?
「子供たちが作ったピザを畑にある釜で焼いているんです。さぁ、行ってみましょう!」
続いては農園でピザの、そのワケへ。
今回も“おいしいのチカラ”にやられた編集部です。
2007年設立。耕作放棄地の再生を目指し、貸し農園事業や農業への新規就農を後押しする事業を展開する。
http://myfarm.co.jp
料理知識のある農園コンシェルジュと食卓をイメージしながら野菜作りを楽しむというコンセプトの貸し農園。
1区画は15㎡。月額利用料金は7350円(プラス年額運営費)
http://myfarmer.jp/farms/95