後継者問題
新規就農した仲間と6人でフレッシュグループを作った森さん。
メンバーの半分が20代です。
こちらは一番年下の水野拓宇馬
さん。27歳です。
彼らは全員、移住組。ここ淡路島ではそれぞれが土地を借りて、農業を営んでいます。
農地を貸してくれた一人、水田 貞征 さん。72歳。水田さんは、森さんと水野さんに自分の所有する土地のほとんどを格安の値段で貸してくれたそうです。
「子どもはもう企業に就職して戻ってくることはないだろうし、聞くと“親父の好きなようにしたらいいよ”と言ってくれたんです。
田んぼにはいろいろ水の強いとこ、弱いとこ、いろいろクセがあるんですね。僕は土地勘があるし、元気なうちに彼らに教えてあげて作物を作っていってもらえたらいいと思っているんです」という水田さん。
小屋や農機具、買ったばかりのトラクターも無償で貸しています。
「トラクターを今度自分が使うときに使えなくなったらどうするよ、とか言われるけどね。彼らがここで成功して、大きな農業ができるようになれば僕はそれで満足やと思うし、それを期待しているんです」
農林水産省によると、農業を主な仕事とする基幹的農業従事者の平均年齢は66.5歳(2013年)。年々、高齢化が進んでいます。
しかも構成比で最もボリュームがあるのは75歳以上。30.6%(2014年)を占めています。
日本の農業を次世代につなぐには、今はまったなしの危機的状況と言えます。
水田さんは、森さんたちが実質的な後継者だと考えています。
「森くんが、今年、田んぼに子どもたちを招いた会をやったんです。ドロドロのところなのに子どもらは喜んでる。こういうことが農業でできるんか、おもしろいなぁと思った。
色んなことを言われたり悪いことも聞こえてきたりするけど、それに負けておったら自分が何のために生きておったのかと思うし、彼らのやることはすごく応援したいと思っているんです」
こうした心強い理解者を得た森さんら。最後に出会ったのは、これまたさわやかな農業青年。
話を聞くと、その心意気のかっこよさにホレボレ。
彼らが描くハンサムな未来へと進みましょう!