ヒミツの解明
淡路島の極上イタリアン「ラ カーサ ヴェッキア」でいただいたおいしいお料理。
実は、おいしいヒミツがあるんです。ね?米村シェフ。
「きょう使った野菜はぜんぶ、森くんとこの。フレッシュグループ淡路島のものなんです」
『フレッシュグループ淡路島』とは淡路島で新規就農した若手の男性グループ。
この一風変わったニンジンも彼らに教えてもらったのだとか。
「野菜は作り手によって個性が出るからおもしろいんです。小規模だけど、こだわっている生産者さんがたくさんいるのが淡路島の魅力。僕ら世代の若い子たちも頑張っていますしね」
早速、フレッシュグループ淡路島の代表・森靖一さんに会いに行きました。
「お久しぶりです!森さん!」
そう、実は東京で開催した イベント に食材を届けて下さった農家さん。
およそ1ヶ月ぶりの再会です。
まずは、森さんのバジリコハウスを見せていただくことに。
「さぁ、どうぞ!」
わぁ、スイートバジルがいっぱい!
ずらりと並んだ600本のバジリコ。香りがハウスいっぱいに充満しています。
4棟のバジリコハウスで成長の度合いを変えながら5〜11月の間、切らさずに生産しているそうです。
森さんは若干28歳。農家さんになったのは5年前です。
「僕は奈良県の出身なんですが、ばあちゃんがそこで八百屋をやっていたんです。
八百屋を継ぎたい、と言ったら“まずはメーカーになれ”と。つまり、作り手を知れ、と言われたんです。なかなか先見の明のある言葉ですよね」
そこからが大変です。農業の勉強、そして土地探し。
ひとつひとつ、乗り越えていきました。
淡路島で新規就農者の支援事業があったのも森さんにとって追い風となりました。
森さんの野菜は全て直売。全国のレストランなどに送られます。
米村さんなどシェフが実際に畑に来てくれることが何より野菜作りにプラスになるといいます。
米村シェフの「ラ カーサ ヴェッキア」でサラダになっていたルッコラセルバチコ。
「ビネガーで味付けされる前の採れたてを食べるとパンチありますよ。うちのは “スパルタ” 栽培ですから」
もぐもぐ、香りがよくておいしいですよ…うわぁ、辛い!
「でしょう?最初はルッコラらしい香りがするんですが、そのあとにくる、この苦み・辛みがパンチがあるんです。そういう風に作ったんですけどね」
「シェフにはなるべく食べてもらって、反応を見るんです。それが一番素直に出るんで。表情を見て、ちょっと香りが必要なんかな?とか、もうちょっとインパクトが必要なんかな?と思うと、水の量を変えたりするんです」
「このハウスは極限まで水をやっていません。水分量が多いとまろやかになるというか、味が薄くなるんです。あんまりやらないと枯れちゃいますからそこの兼ね合いですね(笑)」
なるほど。シェフの本音に応えた野菜!個性があるわけです。
今は淡路島で同じく新規就農した6人の仲間と一緒に「フレッシュグループ」を結成。
それぞれが作った野菜をもちよりセットにして全国のレストランに受注販売しています。農機具をシェアするなど助け合いながら利益をあげています。
「いやぁ、それでも大変なことはいっぱい。とくに地元の方と溶け込むのが難しいんです。そこで、思い切って始めたことがあるんです」
ん?始めたことって?
そしてこのおじさんは一体どなた?
兵庫県淡路市釜口 1225
Tel 0799-74-6441
火曜日・水曜日ランチ定休 月1回不定休
二十四節季に合わせたコース料理のみ
《昼夜共に3000円(税抜)》
※ディナーのみ要予約
http://www.la-casavecchia.com/
淡路島の新規就農による若手生産者グループ。
野菜の宅配や農業体験など様々な取り組みを精力的に行う。
代表:森靖一さん
http://www.freshherb.jp/