農業論
森さんの良き相談相手の上宮さんの田んぼに連れて行ってもらったときのこと…。
畑になっていたイチジクを発見!
「食べきれんくらいなっとるから、食べて食べて」とうれしいお言葉!
イチジクは大好物…
おいしい〜!淡路島の秋の名産。本当にここは豊かな島です。
実は森さん。なんと以前は証券会社に勤めていたそうです。
「野菜や果物を売る中央市場でも、需要と供給のバランスで価格が設定されますよね。
株式もいっしょなんで、相場の勉強のために勤めていました」
へ〜
「例えば、キャベツが高値で取引された翌年は、キャベツを作る人が増えるので逆に値が下がるんです。農家になるために証券会社に勤めていたと言うと驚かれますが、農業も経済と密接に関わっているので、そんなに遠いことじゃないんじゃないかな」
佐藤直也さん(左)と山下敏彦さん(右)
フレッシュグループの仲間も、強い農家になるために経営感覚をしっかりと持ちたい、と話しています。とても温和な山下敏彦さんですが、語りは真剣そのもの。
「“相場があがったから今年は良かった。相場がアカンかったから、ダメだった” そういうことじゃなくて、相場に左右されずどうやって毎年業績をあげていくかを考えています。
世の中の企業はみんなそうですから。フレッシュグループはみんなその意識があると思う」
最近、トラクターを自前で買った佐藤さん。夢は膨らみます。
「前までは、“一人で細々とやったらいい。普通の百姓になれたらいい”と思っていたんです。でも6人でフレッシュグループを結成して、今は、“淡路島で一番活気づいているグループだぜ”って言われたい。次の目標は兵庫県で一番、次は関西…。日本の中でも注目されるグループになっていきたい」
八百屋になるための手始めとして農家になった森さん。
しかし今は日本の農地・土地について責任を感じています。
「中山間地の田んぼは効率が悪いしコストがかかるから皆やらなくなってきているけど、田んぼの保水能力がないと災害にもつながるし、集落が成り立たなくなるんです」
「今後あたらしく農業に入ってくる人には中山間地の田んぼを守る働きを忘れないでほしい。今の時点では僕の米作りは赤字だけど、黒字にする方法は絶対にあると思っています」
最後に気になっていた事をたずねてみました。
森さん、最終的には農家を辞めて八百屋さんになるんですか?
「いいえ。農業はやってみるとすごくおもしろい。“何かを作る”というのはすごく楽しいんです。八百屋と農家、両立できる道を今は目指しています」
フレッシュな新規就農者さん。
彼らの力強い芽吹きに心がふるえたエピソード5の旅でした。