スマートアグリ
取材班、実は気になっていたことがありました。
それは、ハウスがめったやたらにノッポなこと。
ね〜?ノッポでしょ?
ほかのところはこんな感じ↓ トンガリ屋根は一緒ですが、そこまでノッポではありません。
「それは、イチゴ栽培のためじゃないんです。実はトマト栽培のためなんですよ」と上田さん。
え、トマト? トマトも作ってるの?
といって、廊下を挟んだ向いの扉へ。
「ほらね。さあ、どうぞ」
じゃ、失礼しまぁす。
…わ〜、すごい! トマトの壁だ!
こ〜んな感じ。
トマトの国のアリスになったような気持ち!
「この土地は晴れの日がすごく多いんですね。
研究者によると、この気候がどうやらトマト作りに向いているようなんです。
ここはイチゴの産地なんですが、イチゴはどうしてもシーズンがありますのでトマトが通年作れるようになれば強みになる。そこで実証実験をしているところなんです」
「トマトは背が高いハウスが世界では主流なんです。とくにオランダではそうですね」
オランダと言えば、農作物の世界三大輸出国のひとつ。農業危機の日本でも近年注目が高まっています。
「オランダではトマトの苗を上に上に伸ばしていくんですね。脚立かなんかに乗らないと手が届かない高さまで伸ばすんです。そうすると、一定の面積当たりでたくさん収穫できるので」
「トマトも大雑把にいうと作り方が二種類あるんです。ひとつは上に上に高くする栽培方法。もう一つは、人の手が届く範囲で伸ばすのをやめてしまって、またすぐ次のものを植える方法。
今は、背が低いものでどれだけたくさん採れるかを確認しています」
一概に比較はできないものの、オランダでは農業従事者が日本に比べ圧倒的に少ないのに、生産量は格段多いのです。
「日本でもファミリービジネスではなく、会社として大規模にトマトを生産しているところが増えてきていますよね。製造業としてトマトを作る、ということです」
コンピューターで管理されたハウスの中。強い産地作りへの模索が続いていました。
「なにしろ、イチゴに比べトマトは固いのがいいですね。扱いやすいです」と笑う上田さん。
宮城県亘理郡のトマトが有名になる日もやってきそうです。
さて、続いては…
普段マーケット部で働く我々が農業ビジネスについて切り込みますぞ。
山元町出身・ITベンチャーの経営者だった岩佐大輝氏が、東日本大震災後に設立。
山元町産のイチゴをナショナルブランドに、そして東北を世界的な先端園芸の集積基地に育てることをミッションに掲げ躍進中。