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GRAのイチゴブランド「ミガキイチゴ」のパッケージ

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Episode6-5

 ビジネス


儲かる農業を、どう作る?

宮城県亘理郡山元町  農業生産法人 株式会社GRA / 上田 貴史 さん

宮城県亘理郡山元町  農業生産法人 株式会社GRA 
/ 上田 貴史 さん

「ところで、甘いイチゴの見分け方、知っていますか?」と上田さん。

甘いイチゴのヘタの形について説明する上田さん

「イチゴのヘタがね、ぴよーんと跳ねているのがおいしいイチゴのサインですよ」
へ〜!
「あと、イチゴのつぶつぶが外に飛びださんばかりになっているのもおいしいイチゴ」

もうすぐ収穫の赤く色づいたイチゴ

GRAで作られたイチゴは、東京の有名百貨店でも販売されています。
中には一粒700円で販売されるものも。奥さん、一粒ですよ!!ひとつぶ!

採れたれイチゴのおいしさを堪能する取材班Mさん

(ん〜、本当においしい。値段を聞くともっとおいしい…)

「収穫されたもののほんの一部ですけどね。形や色、すべてを兼ね備えたものはそんな価格で販売しています」
でも…  と上田さんが続けます。
「農業に参入して感じたのは、利益率がすごく低い産業だということですね」

ずら〜っと並ぶイチゴ苗・鈴なりのイチゴたち

「一言で言うと儲かりにくい産業だな、と。よほどうまくやらないと、あっという間に赤字になってしまいますね」
確かに、コンピューター搭載のノッポのハウスは、土耕・井戸水で栽培するかまぼこ型のハウスと比べれば投資額は相当なはず…
「ここは研究拠点なので一般とは比べることはできませんが。
でも、一定の設備投資をするなら宣伝もマーケティングもして高い売上げ単価を目指さなくてはなりません。それができれば次は横展開です」
なるほど、規模が大きくなり、こうした農家が増えれば増えるほど設備にかかる費用は下がっていくもの。まさに物作り産業の共通項です。

積み上げられたミガキイチゴのパッケージボックス

それはそうとイチゴと言えば、冬から春までの季節商品。
素朴な疑問ですが、夏は何をしているのでしょうか?

ミツバチがイチゴの花にとまっている様子

ハイテク工場でも受粉はハチさんの仕事。とってもマジメな働き手

「シーズンの時はガーッと稼いで、シーズンオフは稼いだお金で次のシーズンの準備をするんです」なるほどなるほど。でもビジネスマンとしてはもっと長い期間稼ぎたいもの。
「そうですね。味は問題ないけれど形が良くないなど、商品としては売れないイチゴを去年からスパークリングワインに加工して販売を始めています」
へぇ、おしゃれ!

販売されているイチゴのスパークリングワイン

「スパークリングワインにしたのは、ずばり作りづらいからですね」
むむ、おもしろそうな話の展開です。
「ジャムは作り易いのでライバルが多いですよね。競合が多いと価格も横並びになりがちじゃないですか。それと、原料比率が高いものがいいと思っていました。
 例えばジュースであれば、イチゴを作っていないメーカーでも香料とかである程度作れてしまいますから。イチゴを生産している強みが活かせて難しいもの。それでスパークリングワインにしたんです」

マーケティング部の取材班Mさん、上田さんの話を真剣に聞いています

確かにワインなら在庫を抱えていてもすぐには賞味期限はやってきません。
「フレッシュなイチゴの風味を売りにしているので3ヶ月以内に飲んでいただくのを勧めていますが、確かに賞味期限はありませんね(笑)」

おいしい真っ赤なイチゴ、まさに宝石です

「今、となりで新しいハウスを建設しているところなんです。ここは夏でもイチゴが作れないか頑張ろうと思っていますので、良かったらまた取材に来てください」
へぇ、夏でも!? 一体、どんなハウスになるのでしょうか。

笑顔でおくって下さった上田さんにお礼とさようならを言って一路、仙台へ戻ります。
途中、立ち寄ったお店で亘理郡のイチゴ100%のジェラートを見つけました。

亘理産イチゴ100%のイチゴジェラート

ああ、おいしいな。 本当においしいな。

ジェラートを食べて笑顔いっぱいの取材班Mさん

このイチゴのジェラートは産地復活ののろしに違いありません。
思わず胸が熱くなるおいしい味に出会えたエピソード6の旅でした。

農業生産法人 株式会社GRA

山元町出身・ITベンチャーの経営者だった岩佐大輝氏が、東日本大震災後に設立。
山元町産のイチゴをナショナルブランドに、そして東北を世界的な先端園芸の集積基地に育てることをミッションに掲げ躍進中。

http://www.gra-inc.jp/

おいしいのヒミツ