京野菜の広め方
古都・京都。
風情がありますね〜。
こんにちは!
ブラウン マルチクイックのレシピ研究をしている、料理研究家のふじわらみきです。
おいしさのヒミツを探る仲間として素材本来が持つ原点を勉強していきます。
パパッと簡単に、素材の組み合わせでぐんと美味しくなるレシピを、出会った食材を使って紹介してまいりますので、どうぞよろしくお願いします!
さあ、がんばるぞ〜! …て、あれ?ここはどこ?
物流センターのようなところにやって来てしまいました。
京都といえば、京野菜。その畑に行くと思っていたのですが…。
出迎えて下さったのは、株式会社トレードの木村友哉さんです。
実はこの方、「京野菜」を全国に広めている凄腕の方なんだそうです。
今回は、トレードグループの物流センター「京都TC」からスタート!
「さ、まずはこちらへどうぞ!」と木村さん。
え、冷蔵庫、ですか?
わ、すごい!
ひんやりとした部屋で女性たちがテキパキと京野菜を梱包していました。
最初に見せていただいたのが、今が旬という伏見唐辛子です。
「京都といえば、万願寺唐辛子が有名ですが、これは伏見唐辛子。爽やかな甘みがあって美味しいんですよ。ただ、まれにとっても辛いのが混ざることがあります」
それならば…とロシアンルーレットに挑戦。がじっ!
セーフ!辛みはなく、みずみずしいピーマンといった味わいです。
新鮮でおいしい!種まで食べられます。
「ゴマ油で炒めて鰹節をかけてお醤油で味付け。最高ですよ」と木村さん。
なるほど!マヨネーズとお醤油、七味をかけてもおいしそう。
続いて発見したのは壬生菜。お漬け物で有名ですよね!
でも、生の壬生菜を買って調理するというイメージはありません。
「水菜よりもピリっとした辛みがあるのが特徴。お鍋に入れても美味しいですよ!」
多い時期は30種類の京野菜を取り扱っているというこちら。
『洛市』というブランドで、全国の百貨店やスーパーで販売されているんだそうです。
「はい、南は沖縄から北は北海道まで。全国、ほぼ同じ値段で販売しています」
え?京都で買っても東京で買っても同じ値段!?
「はい、そうです」とニッコリの木村さん。
「東京にいても京都で買うのと同じ値段で京野菜が買えるんです」
洛市の野菜は市場を通さずに独自の物流網で全国に流通されています。
なぜこうしたシステムを立ち上げたのでしょうか。
「僕はもともと京都の八百屋の息子で。“事業を立ち上げるように”と上司に言われたときに、やっぱり京都の野菜を売りたいなと思ったんです。
それで、まず関東にヒアリングに行きましてね。勝手な話ですが、僕は東京の百貨店には京野菜は並んでいると思っていたんです。すごく高い値段だったとしても」
ところが意外にも、当時、京野菜は全く売られていなかったといいます。
「バイヤーに、何が問題ですか?と聞いたら『値段も高いし、入荷が不安定で入ってくるときもあれば無いときもある。売り場として構成ができない』と。それなら、その問題を解消してやろうと思ったんです」
まんまるの賀茂なす
「市場を経由すると相場の変動があって、値段が上がったり下がったり…。それに何の理由かわからないけど、無い、とか。何の理由か分からないけど、多い、とか(笑)
それなら、農家さんと直接やってやろうと。うちは、相場制ではなく、農家さんにも販売店さんにも一定の価格で取引をお願いしています。例えば1キロ1000円なら、ずーっと1キロ1000円。」
野菜と言えば普通、量が少ないときは高く、多く出回っていれば安価なものですが…。
「値段を一定にすれば、農家さんはうちの規格に合うものをいっぱい作れば収入が増えるという計算がたつんです。販売店も安定して入ってくることが分かれば安心して普通の値段で売れますよね。これで問題解消です」
でも、たくさん採れすぎてしまって余ることはないのでしょうか。
「その時は販売店なんかでフェアーをやったりね。売るのは僕らの仕事。農家さんには作ることに専念してもらいたいんです。どんな時も農家さんからは定価で買うんです。それが信頼関係になって少ない収穫量の時も売ってくれることに繋がるんです。そうすれば販売店さんも助かります」
なるほど! 作り手よし、売り手よし、買い手よし。まるで『三方良し』のよう。
京野菜が広がるヒミツ、ここにありです。
さらに!
洛市の野菜はとってもおいしいんです。
目からウロコ。家庭でも実践できる、おいしさを作るヒミツへと進みましょう。
価格が高く不安定な供給に課題があった京野菜を、農家と消費者を最短で結ぶ、独自の流通システムを構築し安定した価格と供給体制を実現した。
2011年から全国で展開。
野菜の販売を通し、京都の伝統と文化を届けている。