ヒミツの解明
と、いうことでやってきました。
京都府南部の久御山町。
迎えて下さったのは上田芳樹さん。 34歳の若手農家さんです。
以前はサラリーマンをされていたそうですが、結婚を機に奥さんの実家の農業を継がれたそうです。
「どうぞ、入ってください」と上田さん。
わ〜、すごい。 奥行き90mというハウスの中は小松菜でビッシリです。
「お盆くらいまでキュウリをやってまして。二期作で今は小松菜です。これが今年最初の小松菜になるんですよ」
わ〜、壮観。 ハウスの中は小松菜の香りでいっぱい!
あれ? でも、よく見ると小松菜の育ちにバラツキがあります。
これは植えた時期が違うのでしょうか。
「はは、同じ時期に植えたんですよ。 でも、小さい方は、キュウリ畑の時に通路だったところです。キュウリの収穫が終わったあと、トラクターで土を掘り返して柔らかくするんですけど、やっぱり差が出てしまう。根まで水が行きづらいんだと思います」
差がハッキリ
へ〜! それだけでこんなに差が生まれるんですね。
味の違いも気になるところ…
モグモグ… なるほど、なるほど。
小さい方は色が濃く、ケールのような苦みがあります。
大きい方はというと圧倒的に甘い!柔らかくて食べやすいし、みずみずしい。
同じ畑で同じ種でもこれだけ違う。それが農業の面白いところでしょうか。
「いや(笑)、僕は全部、育ちがいい方がいいですけどね」という上田さんに一同つられて大笑い。
「野菜作りの面白さは、自分が一生懸命やったら手間かけた分だけ、それに応えてくれるとこです。手を抜いたらそれなりにしかならへんし。
僕は会社員より農業の方が合ってるのか今がすごく楽しいんです。損をするのも儲けるのも自分次第。自由にやりたいことに挑戦できるのが楽しいですね」という上田さん。
勉強熱心で様々な栽培法にも取り組んでいました。
1軒1軒、ハウスを訪ね契約農家を増やしていったという洛市の木村さん。
最近は口コミで農家数が増えていっているといいます。現在、契約農家数は120にも。
「伝統野菜も大切ですが、やっぱり食べる量はしれています。京都の農家さんがこれからも京都で農業をしていくためには、他県の大産地に負けない何かがいる。その何か、いわば『作る意味』を僕らは生み出していきたいんです」
それにね、と木村さんが続けます。
「京都の野菜って京料理と密接に関係しているんです。料理人が農家に『この間のちょっと固かったけど、こういう料理にしたら美味しかったわ』というと、農家は『じゃ、料理に合わせて少し早めに収穫してみようかな』となる。
京料理と京野菜が一緒に工夫しながら育っていっているので、京都は農家さんのレベル自体が高いんです」
「農家さんが良い人やから、良い野菜ができる。やっぱり人ですね。人が野菜を作っているんだと思います」という木村さん。
「是非、京都の伝統野菜、そして京都産の野菜『京野菜』を全国の皆さんに気軽に楽しんでほしいですね」
愛情と情熱がたっぷり入った京野菜の小松菜。
いつもの、おひたしや炒め物だけではもったいないですね。
それならば…ということで。
洛市の木村さんと農家の上田さんにお別れした後、京の台所・錦市場に繰り出しました。
続いては料理研究家ふじわらみきによる簡単おいしい小松菜レシピ。
どうぞご期待ください!
価格が高く不安定な供給に課題があった京野菜を、農家と消費者を最短で結ぶ、独自の流通システムを構築し安定した価格と供給体制を実現した。
2011年から全国で展開。
野菜の販売を通し、京都の伝統と文化を届けている。