ヒミツの解明
甘いニンジンのヒミツを解明すべくやってきたのは、東京からつくばエクスプレスに揺られること約1時間の場所にある 茨城県土浦市。
はるか先に見えてきたのは「 かの有名な筑波山 」と、タクシーの運転手さん。
取材班3人のうち2人の趣味は登山とあって、早くも盛り上がります。
そして、やってきた久松農園さん。“滋味のある野菜”と全国にファンをもつ人気農園です。
甘〜いニンジンも定番の人気商品なんだとか。
ヒミツを探ろうと、早速ニンジンの収穫に密着。
特別な栽培方法があるはず…と、あたりをキョロキョロするものの、「企業秘密」らしい謎めいたものは見当たりません。
「特別なことはしません。大切なのは、“適した時期に、適した品種を健康に育て、鮮度よく届ける”ことなんです」
「鮮度というと、魚などを皆さんはよく気にされますが、野菜も鮮度はとても大切なんです」
確かに、採りたての土のついたニンジンは驚くほど色が鮮やか。
そして何より、鼻にぬけるようなさわやかな香りがあたり一面に立ちこめます。
農場長の伏見友季さんが、膝のうえで、器用にニンジンをカットしてくれました。
かじってみると、まるで果物の柿のよう!みずみずしく、さわやかな甘みが広がります。
「セリ科ならではの、香りが本当にいいですよね。新鮮であればあるほど、香りもよく、甘くておいしいニンジンを味わうことができますよ」
つまり、収穫してから消費者の口にわたるまでの時間が短ければ短いほど、おいしい野菜にありつけるというわけ。
農家と消費者との、いわば“距離”が甘さのヒミツだったのです。
久松農園では、「鮮度のいい野菜」を届けることにこだわり、一般の流通システム はとらず、直接お客さんに届ける販売方法をとっているといいます。
さて、どんな風に野菜を届けているのでしょうか。
(「そうか、新鮮なことがおいしさのヒミツだったんだ!」納得の取材班 Mさん)
茨城県南部の土浦市で1999年から有機農業を営む。
年間50種類以上の野菜を消費者に直販。
昨年出版した『 キレイゴトぬきの農業論 』(久松達央・著)が話題となっている。
http://hisamatsufarm.com